2026年6月23日
シンガポール労働者の職場エンゲージメント低迷 35歳未満の不満が顕著に
シンガポールの労働者は、世界平均や東南アジア地域の同僚と比べて職場へのエンゲージメント(仕事への意欲や組織への関与度)が低いことが、最新の調査で明らかになった。特に35歳未満の若年層で不満や疎外感が強まっている傾向が見られる。
調査によると、自身の仕事に積極的に関与し、組織への帰属意識を持つ労働者の割合は、シンガポールが世界平均および東南アジア平均を下回った。若年層では「仕事への情熱を感じにくい」「会社との価値観の違いを感じる」と回答する割合が高くなっている。
背景には、働き方に対する価値観の変化があると専門家は分析する。若い世代は給与だけでなく、ワークライフバランス、柔軟な勤務制度、キャリア成長の機会、企業理念との一致などを重視する傾向が強い。しかし、企業側の制度や職場文化がその期待に十分応えられていないケースも少なくないという。
また、生活費や住宅価格の上昇に対する不安も若年層の不満につながっている。近年の調査では、シンガポールの若者の間で将来の住宅取得や資産形成に対する懸念が高まっていることが指摘されている。
一方で、企業側も人材確保に苦戦している。特に優秀な若手人材は転職への抵抗感が低く、キャリアアップや待遇改善を求めて積極的に職場を変える傾向がある。そのため、企業は従来以上に従業員満足度や職場環境改善への取り組みを求められている。
専門家は、若年層を中心に「会社への忠誠心」よりも「自身の成長や幸福度」を優先する考え方が広がっていると指摘する。シンガポールでも柔軟な勤務制度やキャリア開発支援を充実させる企業が増えているが、依然として求職者の期待とのギャップは残っている。
今回の調査結果は、シンガポール企業が人材確保と定着を実現するためには、給与だけでなく働き方や企業文化の見直しが重要な課題になっていることを示している。


