2026年6月5日
シンガポール製品に米国が12.5%関税適用の可能性 強制労働調査が影響
シンガポールから米国へ輸出される一部製品に対し、最大12.5%の追加関税が課される可能性が浮上している。背景には、米国当局による強制労働に関する貿易調査がある。
今回の問題は、中国・新疆ウイグル自治区における強制労働への関与が疑われる原材料や部品が、第三国を経由して米国市場へ流入している可能性について、米国が監視を強化していることに起因する。シンガポール企業自体が強制労働に関与しているとの指摘ではないものの、サプライチェーン全体の透明性確保が求められている。
米国は近年、強制労働防止を目的とした「ウイグル強制労働防止法(UFLPA)」の運用を強化しており、輸入企業に対して原材料の調達先や生産工程の詳細な証明を要求している。調査結果によっては、シンガポールから輸出される一部製品に12.5%の追加関税が適用される可能性があるという。
専門家は、シンガポールが自由貿易を基盤とする経済であり、米国との自由貿易協定(USSFTA)を締結していることから、実際に広範な関税措置が導入される可能性は限定的との見方を示している。一方で、企業に対してはサプライチェーンの管理強化や調達先の確認を求めている。
シンガポール企業の多くは、中国や東南アジア各国から原材料や部品を調達しているため、今後は取引先企業に対するデューデリジェンス(適正調査)の重要性がさらに高まる見通しである。
業界関係者は、「関税そのものよりも、サプライチェーンの透明性確保が今後の国際取引の大きな課題になる」と指摘している。今回の動きは、世界的に強まる人権重視の貿易政策がシンガポール企業にも影響を及ぼし始めていることを示す事例として注目されている。

