2017年3月6日
ベルテクス・パートナーズ(VERTEX PARTNERS PTE. LTD.) アジアのスタートアップと 日系企業をマッチング
新規事業の開発や事業革新支援のコンサルティング業務などを手がけるベルテクス・パートナーズの日本法人は今年1月、グループ企業として設立されたシンガポール法人とグローバル業務提携を開始した。シンガポール法人のスタッフは現在8人。事業改革支援などのコンサルティングサービスに加え、アジアのスタートアップ企業の海外展開支援や日系企業とのマッチング業務など、日本法人にはない役割も担う。
日本法人は、欧米系の大手コンサルティングファームなどから集まったメンバーが中心となり2015年に設立。クライアント企業の事業に深く入り込み、ビジネススキームを構築したり、新規事業の立ち上げや経営改革を率先して推進したりと、従来のコンサルティングファームとは一線を画するスタイルが特徴だ。
シンガポール法人のダイレクターである谷垣豪氏によると、シンガポールを含めたアジアの国々にIoT(Internet of things、モノのインターネット)やAI(人工知能)など、特にIT関連で優れた技術力やビジネスセンスを持つ企業が多く、一方で日系企業からはこれらに対するニーズが高まっているという。「特に日本の金融業界では、Fintechやブロックチェーンといった新しい取り組みや技術がようやく注目され始め、世界的な革新の流れに追いつこうとしています。こうした中、自社のIT活用の遅れに強い危機感を持つ日系企業も多くいるのが現状です。アジアのスタートアップ企業が持つ技術やサービスモデルを日系企業の武器として活用することで、双方のプラスにつなぐことができるでしょう」。
アジアのスタートアップ企業の中には、技術力はあっても、まだ会社が若くビジネスを広げるためのノウハウが十分になく、事業の拡大に苦心していることも多いという。「ファンドを通じて資金を調達できても、外部とのコネクションもなく実際にどう動けばいいのか分からない、という企業もあります。そうした企業に対し、戦略から実行まで共に動き、成長を促進することがわれわれの役目と言えます」。
すでに台湾や香港、マレーシアなどのスタートアップ企業を日系企業とマッチングさせた実績があるという。