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2005年6月27日

『伊勢丹な人々』 川島蓉子

photo-4扱っている商品のブランドに惹かれるのではなく、その店そのものに惹かれて店に足を運ぶ。店のブランドが商品のブランドより引き立っている。そんな状況が、多くの小売店にとっての夢であり理想であるが、伊勢丹ではすでに現実化しているように思える。その成功の要因は一体何か。自らヘビーユーザーだと称する著者の言葉であらわすと、「伊勢丹には何かワクワクさせてくれるものがありそうだから」という期待感ではないだろうか。だがその「ワクワク」は一朝一夕にできたものではない。有名な藤巻幸夫を始めとした様々な人が、過去にいろいろな新しい試みをくりかえした結果なのである。伊勢丹にはそういう人材を生かす風土があった。「55%攻撃論」という言葉が象徴的である。成功率が50%だったら上司に相談、55%だったら自分で判断し行動せよという意味だと言う。これは、世の中の動きをいち早く取り入れなければならないファッション業界では、とても大切なことだろう。著者は、伊藤忠ファッションシステムのトレンドPR室長。流行分析の専門家としての視点と同時に、ファッション好きの女性としての買い手の視点が新鮮。いまの小売店が取り入れるべき多くのヒントを与えてくれる。

 

日本経済新聞社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.050(2005年06月27日発行)」に掲載されたものです。
文=親松

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