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社説「島伝い」

2017年3月6日

国家予算との関わり方

平成29年度(2017年度)の日本の国家予算の政府案がいつ国会に提出されたか、日付を答えられる方はどのぐらいいるでしょうか。正解は1月20日、麻生太郎財務大臣が国会において財政演説を行いました。

 

一方シンガポールでは、政府予算案が国会へ提出された日付を尋ねられれば、「今年は2月20日だった」と答えられる人が圧倒的に多いはずです。毎年、財務相による国会での演説で政府予算案が発表されると、その翌日付けの地元紙には特集が大々的に組まれ、予算案の内容が図解も交えて一般の読者にもわかりやすく説明されます。予算案には、国防や教育、治安維持・安全対策、保健・医療など国家レベルのことに加えて、各種税制改正や助成制度の新設、延長など企業や個人レベルで直接関わる内容も多く、国民も高い関心を持っています。

 

今年のシンガポール政府予算案は、全体的に将来への備えにより力を入れたものとなっているようです。また、コミュニティークラブやスポーツ施設建設などの公共工事の前倒しといった景気刺激策や、革新的な技術やサービスを持つ外国企業とシンガポール企業との提携支援など雇用創出を狙った策も発表されました。これらの策が対象とするのはもちろん主にシンガポール国民や企業ですが、シンガポールで活動する外国人や外国籍企業にも少なからず関わってきます。

 

現在4月からの新年度に備えて、予算作成に忙しい日系企業も多いでしょうが、シンガポールの現状を踏まえて今後を見通す上で、政府予算案は大きな手掛かりの一つになります。今年の予算案の内容をまだよく見ていなかった、あるいは担当者に任せていたという方は、今号2ページの政府予算案特集を糸口に、ぜひ関連記事などにも自ら目を通してみてください。経営に携わる方は会計士など専門家の見解や意見も取り込んで、自社の経営計画や予算に反映していく必要もあるでしょう。知らないと損をする場合があるものや、逆に知っていると大きなメリットになるものもあります。日本の国家予算案を見る時のように直接関係することはあまりないと考えると、リスクにすらなる可能性があります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.319(2017年3月6日発行)」に掲載されたものです。

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