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Visa、シンガポールに技術開発6拠点 新施設に1,500人超を集約

 米決済大手Visaは11月5日、シンガポールに6つの世界向け技術開発拠点を設置すると発表した。パヤレバー・グリーンの新施設「ソリューションセンター」に、技術、商品開発、サイバーセキュリティーなどの専門人材1,500人超を集約する。開発成果は同社の世界的な決済ネットワークで活用する方針である。
 
 6拠点が取り組むのは、人工知能(AI)と商取引、次世代決済、安全性とシステムの強靱化という3分野である。AI関連では、決済業務へのAI活用に加え、AIが利用者に代わって商品やサービスを選び、安全に支払いを行う「エージェント型商取引」の技術を研究する。
 
 次世代決済では、価値を法定通貨などに連動させるステーブルコイン、デジタル通貨、条件に応じて自動的に送金する仕組み、電子財布などを対象とする。安全性の分野ではサイバー攻撃への対応力を高めるほか、量子コンピューターの金融分野への応用や、将来の量子技術に備えたセキュリティーも研究する。
 
 VisaはDBS銀行、AXS、Nium、StraitsXなどの金融・決済関連企業や、大学、政府機関との連携を進める。シンガポール金融管理局(MAS)が進める複数通貨の決済に関する取り組みにも参加している。
 
 シンガポール経済開発庁(EDB)は、今回の投資が高度な専門職の雇用を生み、金融技術の開発拠点としての同国の地位を強めると評価した。ただし、新施設の1,500人超は従業員の集約規模であり、新規採用人数は明らかになっていない。
 
 Visaは今年7月、世界の従業員約2,600人を削減する計画を示していた。今回の拠点整備は、既存業務の効率化と並行してAIや新たな決済技術に経営資源を振り向ける動きとして注目される。