シンガポール統計局が11月5日に発表した2026年9月の小売売上高は、前年同月比1.7%増の約43億Sドルとなった。8月の0.8%増から伸びが拡大したものの、市場予想の2.2%増には届かなかった。季節調整済みの前月比では1.0%減少し、全体として消費の回復は力強さを欠いている。
自動車・部品を除く小売売上高は前年同月比2.5%増だったが、前月比では1.8%減少した。業種別ではコンピューター・通信機器が16.5%増と好調で、携帯電話の需要増加が寄与した。ガソリンスタンドは6.5%増となったが、燃料価格の上昇が売上金額を押し上げた側面もある。化粧品・医療用品などは6.0%増、家具・家庭用品は5.3%増だった。
一方、コンビニエンスストアなどは5.6%減、百貨店は3.4%減、衣料品・靴は1.5%減となった。前年同月を上回ったのは14業種中6業種にとどまり、消費の回復が幅広い業種に及んでいるわけではない。小売売上高のうちオンライン取引の割合は17.7%で、8月の15.6%から上昇した。
飲食サービスの売上高は前年同月比1.0%増の約16億Sドルとなり、8月の1.8%減からプラスに転じた。ファストフード店は7.6%増、レストランは2.6%増、カフェは0.1%増だった一方、フードコートなどは4.2%減、ケータリングは0.2%減だった。飲食売上高の21.1%はオンライン経由であった。
エコノミストは雇用環境の軟化や生活費の高さなどが家計の慎重な支出姿勢につながっているとみる。今後は年末のイベントや観光需要が小売・飲食業をどの程度下支えするかが注目される。
9月の小売売上高1.7%増 携帯電話好調も消費回復に弱さ
