シンガポールで、公共の場にいる他人をスマートフォンなどで撮影し、その写真や動画をSNSに投稿する行為の是非が議論となっている。
発端はオンライン掲示板Redditへの投稿である。投稿者は、危険な行為やトラブルを記録するために撮影が必要な場合はあると認める一方、他人の失敗や恥ずかしい瞬間まで不特定多数に公開する必要があるのかと疑問を投げかけた。
コメント欄では、MRTなどの公共交通機関で席を譲らなかった乗客の写真がFacebookのグループに掲載される例が取り上げられた。撮影された乗客が外見からは分からない障害を持っていたり、体調を崩していたりする可能性もあるとの指摘があった。短い動画だけでは前後の事情が伝わらず、誤解を招く恐れもある。
一方、公共の場では自宅と同程度のプライバシーを期待できないという意見もあった。トラブルが起きた際、自分を守る証拠として動画を残すことには意味があるとする声も寄せられた。
シンガポール政府は9月の国会答弁で、公共の場で他人を撮影する行為は、本人が拒否していても、それだけで直ちに違法になるわけではないと説明した。ただし、執拗な撮影は嫌がらせやストーカー行為に該当する場合がある。撮影した映像を公開し、個人への嫌がらせや身元情報の悪用につながれば、別の法的問題も生じ得る。
SNSに投稿する前に、公益性があるか、本人の特定が必要か、映像だけで状況を正しく判断できるかを考えることが重要である。撮影と公開を別々に判断する慎重さが求められる。
他人の無断撮影とSNS投稿、どこまで許される? ネットで議論
