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ヘイズは「人道に対する罪」か、シンガポールで責任追及求める声

 シンガポールでヘイズ(煙害)が深刻化する中、インドネシアの森林火災による大気汚染を「人道に対する罪」として扱うべきではないかとの議論がSNS上で広がっている。数百万人の健康に影響を及ぼす煙害に対し、原因企業への法的責任を求める声が高まっている。
 
 インターネット掲示板Redditの利用者が14日、長年繰り返される森林火災と煙害について、国際刑事裁判所(ICC)による責任追及が可能かと問題提起した。
 
 投稿者は、森林を意図的に焼き払う企業の関係者も、戦争犯罪などで訴追される人物と同様に責任を問われるべきではないかと主張。自身も屋外に出た際に鼻水や肺の違和感を覚えたと訴えた。
 
 シンガポールでは15日、西部地域の24時間大気汚染指数(PSI)が203に達し、「非常に不健康」とされる水準を記録した。他の4地域でも127~192の「不健康」水準となった。
 
 保健省によると、ヘイズの影響で病院や総合診療所を受診する呼吸器疾患の患者が増加している。環境保護団体グリーンピースの報告では、インドネシアでも急性呼吸器疾患による入院や小児のぜんそく発作が増えているという。
 
 ただし、国際法上の「人道に対する罪」には厳格な成立要件がある。ICCの設立条約であるローマ規程では、民間人に対する広範または組織的な攻撃の一環として、一定の犯罪行為が認識を伴って実行されることなどが必要となる。
 
 このため、森林火災の管理不足や規制の不徹底だけで、直ちに人道に対する罪が成立するわけではない。
 
 一方、シンガポールには2014年制定の越境煙害法があり、国外での森林火災によって国内に煙害を発生させた企業などに対し、最大200万Sドルの罰金を科すことができる。
 
 政府は現在、火災発生地点や風向、煙の流入状況などの情報収集を進めている。長期化する煙害を受け、企業の責任を明確にする制度や国際協力の実効性が改めて問われている。