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シンガポール国民の95%が塩分過剰摂取、ホーカーの減塩対応に課題

 シンガポールで塩分の過剰摂取が深刻化する中、政府が進めるホーカー(屋台)料理の減塩対策が難航している。味の変化による顧客離れや食材費の上昇を懸念する店主が多く、低ナトリウム調味料の普及が課題となっている。
 
 保健省(MOH)と健康増進庁(HPB)が今月発表した全国調査では、住民の95%が1日のナトリウム摂取推奨上限である2,000㎎を超えていた。2019年の88%から上昇し、平均摂取量も同年の3,480㎎から2025年には4,000㎎に増加した。
 
 外食の増加も背景にある。1日に少なくとも1回外食する住民の割合は、2019年の約60%から2025年には約70%に上昇。一般的な外食料理のナトリウム含有量も2010~2023年に約20%、2023~2025年にさらに約10%増加した。
 
 HPBは2024年から低ナトリウム調味料への切り替えを促進している。今年6月までに146カ所のホーカーセンターやコーヒーショップで約4,000店舗に働きかけたが、導入したのは650店舗にとどまる。
 
 店主からは、従来の味を変えると常連客が離れるとの懸念が出ている。低ナトリウム塩の価格が通常の塩の2倍以上になることも、導入を妨げる要因である。
 
 一方、ベドック地区のワンタン麺店「Ah Kiat Wanton Mee」では、店主が高血圧と診断されたことを機に低ナトリウム塩を導入。サトウキビや小魚でスープのうま味を補い、顧客の理解を得ながら減塩を進めている。
 
 専門家は、消費者が注文時に塩やソースを減らすよう求めることが、飲食店側の対応を促すと指摘する。
 
 HPBは減塩を希望する消費者を増やす取り組みを継続するとともに、低ナトリウム食品の普及に向け、規制を含む追加措置の必要性も検討している。