シンガポール政府は19日、高等教育機関の学生向けに、1年間の長期インターンシップを今後3年間で約3,000人分提供すると明らかにした。人工知能(AI)の普及で初級職の業務が自動化される中、学生が卒業前に実務経験を積み、就職に必要な技能や判断力を身に付けられるよう支援する。
タン・キアットハウ情報通信・デジタル開発担当上級国務相が、シンガポール工科大学で開催された技術人材関連イベントで発表した。制度は情報通信メディア開発庁(IMDA)が主導する既存の「TIP Alliance+」を拡充するもので、これまで対象だったポリテクニックと技術教育学院(ITE)の学生に加え、大学生も参加できるようにする。
実習は大学などの教育機関と受け入れ企業が共同で設計し、履修単位として認める。対象分野はITだけでなく、金融や医療など幅広い業種に及ぶ。企業には対象となる実習生1人当たり月額最大1,000Sドルの費用支援を行う。
同国ではAIがプログラムの作成や試験など従来の新人向け業務を代替し始めている。政府は短期実習を数多く経験するよりも、長期の業務参加を通じて専門家から学び、実際の課題に取り組むことが重要とみる。受け入れ企業には学歴だけでなく実務能力を重視する採用への転換も促す。
政府は、企業が新人に必要な経験を提供することも重要だと指摘した。単にAIの操作方法を教えるのではなく、顧客や同僚との連携、課題発見、業務の改善を経験できる場を増やす狙いである。実習の成果を継続的に検証し、効果の高い仕組みを広げる方針を示した。
シンガポール、学生3,000人に長期インターンシップ AI時代の就職支援
