シンガポール航空(SIA)のマニラ発シンガポール行き旅客機が2025年11月、飛行中に乱気流に遭遇し、客室乗務員5人が負傷していたことが分かった。シンガポール運輸省傘下の運輸安全調査局(TSIB)が10月5日付で公表した調査報告書で明らかになった。
事故が発生したのは2025年11月14日午後7時53分ごろ。エアバスA350-900型機を使用したSQ919便が、シンガポールへ向けて飛行中に乱気流に遭遇した。
この影響で客室乗務員1人が右足首を骨折し、ほかの4人が軽傷を負った。乗客にけがはなく、航空機は午後8時41分にシンガポールへ着陸した。
調査報告書によると、操縦士は高度4万フィートを飛行中、約80海里先に積乱雲などの悪天候をレーダーで確認した。雲の上端は高度約3万フィートと推定され、航空機との高度差は約1万フィートあった。
航空機メーカーが推奨する高度差5,000フィートを十分に確保していたため、操縦士は予定航路を維持した。ただし、予防措置としてシートベルト着用サインを点灯し、客室乗務員にも注意を呼びかけた。
その後、管制官から高度3万4,000フィートへの降下を指示されたため、操縦士は通常より緩やかな毎分700フィートで降下を開始した。
しかし、高度約3万8,450フィートを通過した際、突然乱気流に遭遇した。機体にかかる加速度は短時間で急激に変化し、一時は通常の重力の約1.9倍に達した。
TSIBは、積乱雲による乱気流の影響が、気象レーダーで確認できる雲の上端を超えて広がる場合があると指摘。推奨される安全距離を確保していても、乱気流を完全に回避できるとは限らないと結論付けた。
SIAは調査結果を受け入れ、操縦士と客室乗務員に対する安全教育や乱気流への対応手順の周知を継続していると説明した。なお、右足首を骨折した乗務員はすでに乗務に復帰している。
シンガポール航空機が乱気流に遭遇、客室乗務員5人負傷 安全調査報告書を公表
