2026年10月16日
シンガポール、30~40代のカード債務相談が増加 未返済残高96億Sドル超
シンガポールでクレジットカードなど無担保債務の返済に悩む30~40代が目立っている。非営利団体クレジット・カウンセリング・シンガポール(CCS)が地元紙に提供した統計によると、2021~25年に返済相談を求めた人のうち、30代と40代が最大の年齢層を占めた。生活関連の裁量的な支出に加え、解雇や減給などによる収入減が返済難の主な背景にあるという。
CCSの相談件数は2026年第2四半期(4~6月)に814件となり、過去3年間で最も高い水準に達した。シンガポール金融管理局(MAS)の統計では、返済期日までに全額が支払われず翌月に持ち越されたクレジットカード残高が96億4,000万Sドルに上った。カード債務は金利負担が大きく、残高を持ち越すほど返済に時間がかかる。
ただし、延滞率や貸倒償却率はなお低く、金融システム全体の信用リスクが急激に悪化したと判断できる状況ではない。相談者の増加は、一部の家計に負担が集中している可能性を示す。
専門家は、毎月のカード利用額だけでなく、複数のカードを合わせた残高と利息を把握することが重要だと指摘する。収入が不安定になった場合には、最低返済額だけを支払い続けるのではなく、早期に金融機関や相談機関へ連絡することが望ましい。
住宅ローンなど担保付きの借り入れと異なり、カード債務は日々の支出の積み重ねで増えやすい。利用限度額に余裕があっても、返済に必要な現金を確保できるとは限らないため、支出と収入の見通しを定期的に点検する必要がある。物価や雇用環境の変化が家計の返済能力に及ぼす影響が今後も注目される。

