シンガポール国家環境庁(NEA)は10月12日、国内で続く煙害(ヘイズ)について、インドネシアの森林・土地火災の発生地点や原因、大気環境への影響を調査していると明らかにした。国内では大気汚染が「不健康」水準に長時間とどまる事例が相次いでおり、2014年に制定された「越境ヘイズ汚染法」の適用基準に達している。
同法は、国外で発生した森林火災などによってシンガポールの大気が汚染された場合、原因となった企業などに法的責任を問うことを可能にする法律である。国内のいずれかの地域で大気汚染指数(PSI)が101以上の状態が24時間以上続くことが、適用判断の基準の一つとなる。
違反が認定された企業には、1日当たり最大10万Sドル、総額で最大200万Sドルの罰金を科すことができる。
シンガポールでは9月4日から5日にかけて、中央部でPSIが24時間以上にわたり不健康水準となった。その後も同様の状況が繰り返され、10月9日午後6時には中央部で今年最高となる192を記録した。
NEAによると、10月12日午後7時時点の24時間PSIは118~155で、全域が不健康水準にあった。インドネシアの南スマトラ島やカリマンタン島で発生した森林・土地火災の煙が、南東寄りの風によってシンガポールへ流れ込んでいる。
同法は2015年の深刻なヘイズ発生時に初めて活用され、インドネシアの企業6社に対して法的通知が出された。このうち4社については現在も調査が続いているが、これまで同法に基づく罰金の適用例はない。
専門家は、法律には企業の違法な焼却行為を抑止する効果が期待できる一方、国外での証拠収集や責任の立証、罰金の執行には課題があると指摘している。
NEAは、ASEAN各国との情報共有や火災対策に向けた協力も継続する方針である。シンガポール政府はインドネシアへの支援を申し出ており、ヘイズの発生源対策と企業の責任追及をどのように進めるかが焦点となっている。
シンガポール、越境ヘイズ対策法の適用基準に到達 NEAが火災発生源を調査
