シンガポールで飲料容器返却制度(BCRS)の対象となる空き缶やペットボトルを探すため、公共のごみ箱の中をあさったり、中から容器を取り出したりする行為は法律違反となる。グレース・フー持続可能性・環境相が10月6日、国会への書面回答で明らかにし、国家環境庁(NEA)は違反者に対して取り締まりを行うと警告した。
BCRSでは、対象となる飲料の購入時に容器1本につき10セントのデポジットを支払い、使用済みの対象容器を「Return Right」の自動回収機(RVM)に返却すると10セントが払い戻される。制度は4月1日に始まり、6ヵ月間の移行期間を経て10月1日から本格実施された。対象は150ml~3ℓのプラスチック製・金属製飲料容器で、BCRSのデポジットマークが表示される。
制度の本格実施に伴い、返金対象となる容器をごみ箱から集める行為への関心も高まっている。10月3日には、夜間に男性と子どもがごみ箱の中をのぞき込んでいる写真がSNSに投稿され、BCRS対象容器を探していたのではないかとして議論を呼んだ。
フー氏は、公共のごみ箱をあさること、中から物を取り出すこと、ごみを地面に放置したり液体をこぼしたりすることはいずれも違法だと説明。利用者一人ひとりが共有スペースを清潔に保つ必要があると強調した。
また、RVMは中身が空になった飲料容器を回収することを前提に設計されている。国会では、利用者が残った飲料をその場で捨てることによる衛生問題を防ぐため、利用者の多い場所に液体を捨てる専用設備を設置する考えがあるかについても質問が出た。フー氏は、大半の利用者が事前に容器を空にして適切に返却しているとして、現時点ではRVM付近に専用の液体廃棄設備を設置する計画はないとした。
NEAによると、BCRSでは年間10億本以上の飲料容器を対象とし、年間1万6,000t以上の資源回収を見込んでいる。制度の定着には、デポジットの返金だけでなく、容器を空にして返却するなど利用者側の適切な行動も重要となる。
BCRS容器求め公共ごみ箱を物色、違法行為に NEA「取り締まり対象」
