シンガポールは、急速に性能が向上する最先端の「フロンティアAI」を巡り、安全性とセキュリティーを確保するため国際社会が協力して対策を強化するよう呼びかけた。ローレンス・ウォン首相は、欧州連合(EU)など20ヵ国以上の首脳らと共同声明に署名し、AIを人間の管理・監督下に置くための国際的な枠組みづくりを支持した。
共同声明では、特に高度な能力を持つフロンティアAIについて、共通の安全基準の策定や重大な事故・問題に関する情報共有、信頼できる評価体制の整備などを提案。さらに国連加盟国に対し、AIの能力が一定の水準を超えた場合に各国間の協議を促し、安全基準の設定や検証を担う国際機関の創設についても検討するよう求めた。
ウォン首相は、AIには社会や経済を大きく変える可能性がある一方、そのリスクは国境を越えるため、一国だけでは十分な安全対策を講じることはできないと強調。実効性のある対策には国際協力が不可欠であり、より多くの国が参加できる共通基盤を構築する必要があるとの考えを示した。
シンガポールはこれまでにも「Singapore AI Safety Institute」を設立し、AIの安全性を評価する手法や共通のベストプラクティスの開発を進めてきた。ジョセフィン・テオ情報デジタル開発相も国連総会に合わせたフォーラムで、AIの安全性確保には各国の連携が必要だと指摘。差別的な判断やサイバー攻撃など、現在すでに存在するリスクへの対応も重要だとした。
AI開発を巡る国際競争が激しくなる中、シンガポールは技術革新を促進しながら、安全性と信頼性を確保する国際的なルールづくりで積極的な役割を果たす方針である。
シンガポール、最先端AIの安全対策強化を訴え 国際協力を呼びかけ
