2026年9月23日
AI投資急減ならシンガポール上場企業の32%にリスク MAS試算
シンガポール金融管理局(MAS)は9月22日、世界的なAI投資ブームが急激に後退した場合、シンガポール上場企業の約32%が財務面でリスクを抱える可能性があるとのストレステスト結果を発表した。
MASが公表したFinancial Stability Reviewで明らかにした。テストでは、AIサプライチェーンへの各社の依存度に応じて売上高が最大30%減少し、金利が最大4ポイント上昇する厳しい状況を想定した。
その結果、リスク企業に分類された上場企業は全体の32%となり、これらの企業が抱える債務は企業債務全体の16%を占めた。特に借入比率が高い資本集約型企業や運転資金への依存度が高い企業が影響を受けやすく、利益率や現金余力が小さい中小企業もリスクが相対的に高いとされた。
一方、MASはシンガポール企業全体の財務状況は「概ね健全」と評価。大半の企業は収益や現金準備によって想定したショックに耐えられるとしている。銀行の法人向け不良債権比率も第2四半期に1.2%まで低下し、18年ぶりの低水準となった。
AI関連需要はシンガポールの半導体輸出や設備投資、経済成長を押し上げている。一方でMASは、AI関連資産の評価が大幅に修正されれば投資縮小や企業収益の悪化につながる可能性を指摘しており、AIブームの反動が新たな金融リスクとなり得るとして警戒している。


