シンガポールでパソコン(PC)の価格が急上昇している。調査会社IDCのデータによると、2026年第2四半期のPC平均価格は前年同期比で最大40%上昇した。世界的なAIインフラ投資の拡大を背景に、メモリーやストレージ、グラフィックスカードなど主要部品の供給が逼迫していることが主因である。
一般的なノートPCの平均価格は前年同期の約1,300Sドルから26%上昇し、S1,650Sドルとなった。デスクトップPCも約1,100Sドルから28%上昇して1,410Sドル、ゲーミング用デスクトップは39%上昇し、約1,860Sドルとなった。
特に深刻なのがメモリー(RAM)の価格上昇である。シンガポールのSim Lim Squareでの価格調査では、32GBのDDR5 RAMの平均価格が2025年8月のS$195から2026年8月にはS$763へと約4倍に上昇した。
ストレージ価格も上昇しており、1TBの内蔵SSDは同期間に149SドルからS$328へと2倍以上になった。また、Nvidiaの5060シリーズのグラフィックスカードも平均572Sドルから824Sドルへ44%上昇している。
背景には、世界各地で進むAIデータセンターの建設がある。半導体メーカーが、より収益性の高いAIインフラ向けのメモリーや部品供給を優先しているため、一般消費者向けPCの部品供給が圧迫されている。
価格上昇は消費にも影響しており、Sim Lim Squareの一部販売店では2026年のPC販売が前年から20~80%減少したという。購入を先送りする消費者も増えている。
IDCはPC価格が2027年を通じて高い水準で推移し、本格的な価格低下は2028年以降になる可能性があるとみている。AI投資の急拡大は関連産業の成長を後押しする一方、一般消費者や企業にとってはPC更新費用の上昇という新たな負担になりつつある。
シンガポールのPC価格、最大40%上昇 AI需要で部品不足
