シンガポール国内治安局(ISD)は9月10日、最新のテロ脅威評価報告書を発表し、国内に対するテロの脅威は依然として高いとの認識を示した。現時点でシンガポールへの差し迫ったテロ攻撃を示す具体的な情報はないものの、中東情勢の緊張などを背景に、世界的な治安環境は不安定な状態が続いている。
ISDが特に警戒しているのが、インターネットなどを通じた「自己過激化」と若年層への広がりである。2025年7月以降、国内治安法(ISA)に基づき対処した8件のうち6件が21歳未満で、過激化する若者の低年齢化も進んでいるという。
さらに近年は、単一の思想ではなく、複数の異なる過激思想を組み合わせる「Composite Violent Extremism(CoVE)」と呼ばれる新たな傾向も確認されている。シンガポールでは2025年9月以降、14歳、15歳、19歳の若者3人がCoVEに関連するケースとして確認された。イスラム過激主義に加え、極右思想や反ユダヤ主義、人種至上主義など、時には相反する思想をネット上から取り込んでいた。
ISDはまた、中東での紛争が東南アジアにも影響を及ぼしていると指摘。シンガポールは米国やイスラエルを含む西側諸国との関係、世界的に知られるランドマークの存在、多民族・多宗教の世俗国家であることなどから、テロ組織にとって潜在的な標的になり得るとしている。
SNSやオンラインコミュニティを通じ、若者が短期間で多様な過激思想に触れる環境が広がる中、家庭や学校、地域社会を含めた早期発見と対策の重要性が一段と高まっている。
シンガポール、テロ脅威「依然高い」 若者のネット過激化に強い警戒
