2026年9月10日
SIAのエア・インディア出資巡り論争 野党議員「人種差別と資金問題は分けて議論を」
シンガポール野党・労働者党(WP)のケネス・ティオン議員は、シンガポール航空(SIA)によるAir Indiaへの投資を巡り、「人種差別を一切容認しないことと、資金について厳しい質問をすることは両立できる」と述べ、投資の妥当性に関する議論と人種問題を切り離すべきだとの考えを示した。
SIAはAir Indiaの25.1%を保有しているが、Air Indiaと傘下の格安航空会社は直近年度に過去最大となる23億3,000万USドルの赤字を計上。さらにAir Indiaが株主のTata SonsとSIAに対し、計約15億USドルの追加出資を求めていることから、シンガポール国内でも投資リスクへの関心が高まっている。
ティオン氏は8月26日、政府系投資会社Temasekの資金がSIAを通じてAir India支援に使われることへの懸念をSNSで表明。その後、Air Indiaを巡る議論の一部がインド系住民への人種差別的・排外的な投稿に発展し、K・シャンムガム上級相やローレンス・ウォン首相が強く非難した。
ティオン氏は自身の問題提起は「純粋に商業的なもの」と説明し、人種差別的な発言については「無条件で非難する」と強調。一方で、投資が失敗した場合にシンガポール国民や公的資産へどのような影響が及ぶのかを問うことは正当だと主張した。
政府側は、SIAは上場企業であり、Air Indiaへの投資は自社の財務基盤と取締役会の判断に基づくものだと説明。追加資金を株主に求めているわけではないとしている。
人種や国籍への偏見を排除しながら、政府系企業や国家資産に関わる投資について透明な議論をどう確保するかが焦点となっている。


