2026年9月7日
ウォン首相「偏見を常態化させてはならない」 人種差別的投稿に警鐘
シンガポールのローレンス・ウォン首相は9月6日、国内のいかなるコミュニティーに対する偏見も「受け入れられ、常態化することを決して許してはならない」と述べ、人種や宗教を理由とした差別的な発言を拒絶するよう国民に呼び掛けた。
発言の背景には、8月26日にネパールで発生した大規模な洪水でシンガポール人9人が行方不明となったことを巡り、SNS上でインド系住民を標的とした人種差別的なコメントが相次いだことがある。一部には、行方不明者を「われわれの仲間ではない」とする趣旨の投稿や、インド系住民へのステレオタイプに基づく侮辱的表現も確認された。
ウォン首相は、シンガポールがこれまで社会を維持できたのは、人種や宗教によって国民を分断しようとする動きを一貫して拒み、互いを同じシンガポール人として認めてきたからだと強調。「人種、言語、宗教に関係なく」とする国家宣誓(National Pledge)の理念を守り続ける必要があると訴えた。
K・シャンムガム国家安全保障担当調整相も、一連のコメントを「恥ずべきもので、完全に容認できない」と批判。警察が一部の投稿について調査を進めているほか、デジタル開発・情報省(MDDI)はガイドラインに違反するコメントを削除するようSNS事業者に要請する方針である。
リー・シェンロン上級相も「憎悪を拒絶しなければならない」と表明しており、多民族・多宗教国家シンガポールで社会的結束を守る重要性が改めて強調されている。

