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経済

2026年9月1日

中国富裕層、再びシンガポールに注目 海外資産への課税強化で移住相談増加

 中国政府が富裕層の海外資産への監視や課税を強化する中、中国本土の富裕層が資産管理や長期的な生活拠点として、再びシンガポールに注目している。ファミリーオフィスや資産運用関係者によると、永住権(PR)や市民権取得を含めた移住相談が増加しているという。
 
 中国当局は7月、海外信託(オフショア・トラスト)への課税制度を強化。信託への資産移転や運用益などに20%の税率を適用するほか、北京や杭州などでは海外保険商品の収益に対する課税も進めている。中国の超富裕層が海外に保有する資産は最大1兆2,000億USドルに上るとの推計もある。
 
 シンガポールは政治的安定性や税制、資産管理環境を背景に中国富裕層の移住先として人気を集めてきた。しかし、2023年に発覚した30億Sドル規模のマネーロンダリング事件を受けて審査やコンプライアンスが厳格化すると、一部の富裕層は香港、中東、日本などへ移った。
 
 ところが最近は状況が変化している。シンガポールの資産管理関係者によると、中国本土からPRや市民権取得についての問い合わせが増えており、中国との距離が近い香港よりも、シンガポールを長期的な資産保全拠点として検討する動きがみられる。
 
 中東を巡る地政学的リスクに加え、シンガポール金融管理局(MAS)によるファミリーオフィス関連制度の見直しも追い風となっている。ただし、シンガポールへの移住だけで中国の納税義務から離れられるとは限らない。専門家は、富裕層の動きは中国との関係を断つというより、資産と生活拠点を分散し、選択肢を確保する動きだとみている。

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