2026年8月31日
シンガポールZ世代、資産形成は「不動産より株」? 就職難で住宅購入に現実の壁
シンガポールの若者の間で、資産形成には不動産と株式のどちらが適しているのかを巡り、オンライン上で議論が起きている。背景には住宅価格や生活費の上昇に加え、若者を取り巻く厳しい雇用環境がある。
きっかけは、米国のZ世代が住宅購入より投資アプリや退職口座を通じた資産形成に目を向けているとの米紙の記事が、シンガポールの掲示板Redditで紹介されたことだった。「人口増加を考えれば、シンガポールのZ世代は株より不動産を買うべきでは」との問いに、さまざまな意見が寄せられた。
株式を支持する若者からは、不動産は安定性がある一方、売買に時間がかかり、ローン金利や固定資産税、修繕費なども必要との指摘が出た。これに対し、株式は少額からオンラインで簡単に売買でき、長期投資なら若者には「時間」という強みもあるとの意見があった。
中には「不動産どころではない。すでに仕事を見つけるだけで苦労している」と、住宅購入以前に就職が大きな問題だと訴える声もあった。
一方、シンガポールは住宅所有率が高く、市場価格を下回る価格で提供されるBTO(新築HDB)もあるため、米国とは事情が異なるとの反論も出た。住宅はいずれ多くの国民にとって資産の大きな部分を占めるとの見方である。
今回の議論はReddit上の個人の意見であり、Z世代全体の投資傾向を示すものではない。ただ、住宅価格や就職環境の変化を背景に、若い世代が従来の「住宅購入=資産形成」という考え方を改めて検討している様子がうかがえる。

