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SQ321乱気流事故、死亡した英国人男性の妻がSIAを提訴 自身も脊椎に重傷

 2024年5月、シンガポール航空(SIA)のロンドン発シンガポール行きSQ321便が激しい乱気流に遭遇した事故を巡り、死亡した英国人男性の妻がSIAを相手取り、英国の高等法院で損害賠償請求を開始した。
 
 原告はリンダ・キッチンさん(74)。夫のジェフリー・キッチンさん(73)とシンガポール、インドネシア、オーストラリアを巡る6週間の旅行に向かう途中だった。2024年5月21日、ミャンマー上空を飛行中に機体が激しい乱気流に遭遇。ジェフリーさんは死亡し、リンダさんも脊椎を骨折する重傷を負った。
 
 リンダさんによると、機体が急激に降下した際、夫が自身の上に倒れ、座席の肘掛けに押し付けられた。乗客らが夫を移動させ、機内の医師が心肺蘇生を行った。その後、同便はバンコクのスワンナプーム国際空港へ緊急着陸。リンダさんは10日間現地の病院に入院し、英国へ搬送後も治療を受けた。夫の死亡を知らされたのは事故から2日後だったという。
 
 今回の訴訟では、自身の重傷に対する専門的な治療や生活支援に必要な費用などの賠償を求めている。また夫の遺産を代表する請求も提出されている。このほか複数の乗客もSIAに対する法的手続きを開始している。SIAは係争中の案件についてコメントできないとしている。
 
 シンガポール運輸安全調査局が2026年5月に公表した最終報告書では、乱気流を引き起こしたとみられる積乱雲を機上気象レーダーが十分に検知できなかった可能性を指摘。ただし、レーダーに技術的な不具合があったかについては結論が出ていない。事故では79人が負傷し、1人が死亡した。