シンガポールのカールトン・ホテル内で営業していた韓国系ブライダル写真スタジオ「Korea Artiz Studio」が、従業員への給与未払いを理由に8月14日から突然営業を停止した。店舗スペースについては、賃貸主のカールトン・ホテルが20日付で回収した。
ホテルは店舗入口に通知を掲示し、8月20日から施設を回収したため、ホテルの事前許可なしに店舗へ立ち入ることはできないとした。同スタジオは2017年から同ホテル内で営業していた。ホテル側は家賃の未払いがあることも認めたが、金額については明らかにしていない。
営業停止の背景には従業員への給与未払いがある。従業員によると、同店にはシンガポール人、マレーシア人、韓国人の計8人が勤務しており、5月ごろから給与の支払いが遅れ始めた。8月7日に支払われる予定だった給与が入金されず、中国にいるマネジャーとも連絡が取れなくなったという。各従業員には少なくとも2,500Sドル、約1ヵ月分の給与が未払いとなっている。
従業員らは14日に営業継続は困難と判断し、店舗を閉鎖。顧客に事情を説明する通知を掲示した上で、店舗の鍵をホテル側に返却した。一部の従業員は警察にも届け出ており、警察は捜査を進めている。
影響は結婚式を控えた顧客にも広がっている。シンガポール消費者協会(CASE)によると、8月14~18日のわずか5日間で66件の苦情が寄せられ、前払いしたサービスに関する申告額は合計27万1,000Sドルを超えた。撮影やアルバム制作などを事前に全額支払ったにもかかわらず、サービスを受けられるのか、返金されるのか分からない顧客が相次いでいる。
CASEはKorea Artiz Studioに対し、予定されている撮影やサービスを履行するのか、履行できない場合には顧客にどのような救済措置を提供するのか説明を求めている。しかし、同社経営陣とは連絡が取れていない状況が続いている。
Korea Artiz Studioは2008年に韓国で設立され、2017年にシンガポールへ進出した。会計企業規制庁(ACRA)の記録では8月18日時点で会社自体は存続しているが、店舗再開や顧客への返金など今後の対応は明らかになっていない。
韓国系ブライダル店が突然営業停止 顧客被害27万Sドル超、ホテルが店舗を回収
