シンガポールとマレーシア・ジョホールバルを結ぶ高速輸送システム(RTSリンク)で、利用者の出入国審査が数秒程度で完了する見通しであることが分かった。マレーシア側のブキ・チャガー駅に整備される出入国管理施設には100レーンの自動ゲートが設置され、QRコードまたはパスポートによる迅速な審査に対応する。
RTSリンクのプロジェクトディレクター、ズルキフリ・モハメド氏が8月17日のメディア向け説明会で明らかにした。利用者はまずボディースキャナーを通過した後、自動ゲートで出入国手続きを行う。スキャナーは歩きながら禁止物品などを検知でき、不審なものが確認された場合のみ別のカウンターで追加検査を行うことで、利用者全体の流れを止めない仕組みとする。
RTSリンクの大きな特徴が、シンガポールとマレーシア両国の税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設を出発駅に併設する「コロケーション方式」である。シンガポールからジョホールバルへ向かう場合、ウッドランズ・ノース駅でシンガポールの出国審査とマレーシアの入国審査を済ませるため、ブキ・チャガー到着後は原則として入国審査を受ける必要がない。逆方向も同様となる。
ブキ・チャガーの施設には自動ゲートのほか、手荷物検査設備、授乳室、礼拝室、セルフサービスの乗車券販売機などを設置。国境管理・保護庁やマレーシア検疫検査サービス局などの関係機関も入居する。
RTSリンクはウッドランズ・ノース駅とジョホールバル中心部のブキ・チャガー駅を結ぶ約4kmの鉄道路線で、列車の所要時間は約5分。1時間・片方向当たり最大1万人を輸送できる。2027年1月の開業後は1日約4万人の利用が見込まれており、世界でも有数の交通量を抱えるコーズウェイの渋滞緩和が期待される。
出入国審査と鉄道移動の双方が大幅に短縮されれば、シンガポールとジョホールバル間の日常的な往来は大きく変わることになる。通勤や買い物、観光など国境を越えた人の流れがさらに活発化し、両地域の小売りや飲食、不動産市場にも影響を与えそうだ。
RTSリンク、出入国審査「数秒」で完了へ 100レーンの自動ゲート導入
