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シンガポール、私立幼稚園の閉鎖相次ぐ 年間平均70施設

 シンガポールでプレスクール(幼児教育・保育施設)の閉鎖が相次いでいる。2023~2025年の3年間で年間平均約70施設が閉鎖しており、その多くを政府の運営支援を受けていない施設が占めた。少子化による園児数の減少に加え、賃料や人件費の上昇、保育人材の確保などが経営を圧迫している。
 
 シンガポールのプレスクール運営事業者数は、2023年の408社から2026年には296社まで減少した。特に厳しい状況に置かれているのが、小規模な独立系施設である。政府支援を受ける「アンカー・オペレーター」などと比べ、補助金などの支援が限られるため、運営コストの上昇を保育料に反映せざるを得ないケースも多い。
 
 一方、政府支援を受けるプレスクールの受け入れ能力は拡大しており、保護者にとってより手頃な選択肢が増えている。これにより、独立系施設は価格だけでは競争が難しく、少人数教育やバイリンガル教育、独自の教育方針などによる差別化が一段と重要になっている。保護者側も、立地や料金だけでなく、教師の質や子どもの心身の発達、教師と園児の比率、教育方針などを重視する傾向が強まっている。
 
 出生率の低下も業界にとって大きな構造的課題である。園児の獲得競争が激しくなる一方、質の高い教育を維持するための人材や施設への投資は必要であり、小規模事業者ほど負担が大きい。
 
 幼児教育はシンガポール政府が進める少子化・子育て支援政策とも密接に関係する。今後、保育サービスの手頃さと質を確保しながら、特色ある民間施設を含む多様な選択肢をどのように維持するかが課題となりそうである。