2026年8月12日
シンガポール、2026年成長率予想を4.5~5.5%へ上方修正 AI需要が追い風
シンガポール貿易産業省(MTI)は8月11日、2026年の実質国内総生産(GDP)成長率予想を従来の2~4%から4.5~5.5%へ大幅に上方修正した。上半期の経済成長が予想を上回ったことに加え、世界的なAI(人工知能)関連投資の拡大が製造業や貿易を押し上げていることが主因である。
第2四半期(4~6月)のGDPは前年同期比5.9%増となり、第1四半期の6.3%増からは減速したものの、速報値の5.7%増を上回った。前期比では季節調整済みで1.4%増となり、第1四半期の1.2%増に続いてプラス成長を維持した。上半期全体では前年同期比6.1%増となった。
成長をけん引したのは製造業、卸売業、金融・保険業である。世界的なAI関連需要の拡大を背景に、製造業では電子機器や精密工学分野が好調に推移。卸売業でも機械・設備関連が伸びた。金融・保険業では、融資の増加や手数料収入の拡大を背景に銀行部門が成長を支えた。
一方、飲食サービス業は前年同期比で縮小した。シンガポール居住者の海外旅行が引き続き増加したことや、第2四半期の外国人旅行者数が減少したことが影響した。
MTIは、2026年後半についても世界的なAI関連設備投資の加速が、半導体や電子機器など国際的なテクノロジー供給網に組み込まれたシンガポール経済を支えるとみている。また、中東情勢による世界経済への悪影響も当初懸念されたほど深刻ではないとしている。
ただし、AI関連投資への期待が急速に後退した場合の金融市場の調整や、地政学的緊張、世界的な貿易摩擦などは引き続き下振れリスクとなる。AIブームが輸出と製造業を押し上げる中、その勢いを年後半まで維持できるかが注目される。


