シンガポール政府が若者向け施策「SG Youth Plan」の一環として導入する職業体験プログラム「ジョブ・テイスター(Job Tasters)」について、若者の間ではキャリア選択に役立つ取り組みとして期待する声が上がる一方、より実践的で継続的な支援を求める意見も多いことが分かった。政府は2030年までに年間3万件の職業体験機会を提供する計画である。
ジョブ・テイスターは、半日から数週間にわたり企業や団体で実際の仕事を体験できる制度で、学生や若年層が就職前に業務内容や職場環境を理解することを目的としている。若者からは「進路を具体的にイメージしやすくなる」「就職後のミスマッチを減らせる」といった前向きな評価が寄せられている。
一方で、「数日間の体験だけでは仕事内容を十分に理解するのは難しい」「学校卒業後や転職を考える若者向けにも対象を広げるべきだ」といった声も聞かれる。専門家からは、職業体験だけで終わらせるのではなく、メンター制度やキャリア相談、長期インターンシップなどと組み合わせることで、より効果的なキャリア形成支援につながるとの指摘が出ている。
SG Youth Planでは、職業体験に加え、海外研修機会の拡充や「Adulting 101(社会人基礎講座)」、自己啓発に利用できる500Sドル分の「Curiosity Credits」の導入なども予定されている。政府は、若者が変化の激しい労働市場に対応できるよう、多様な学びや経験を後押しする方針である。
シンガポールではAIやデジタル化の進展に伴い、求められるスキルや職種が急速に変化している。若者の間でも、自分に合った仕事を早い段階で見極めたいというニーズは高まっており、職業体験を含むキャリア支援策の充実が重要な課題となっている。今回の調査結果は、若者が制度そのものを評価しつつも、将来の就業につながる、より個別性の高い支援を期待していることを示している。
若者向け職業体験に期待 より実践的なキャリア支援求める声
