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シンガポールのデング熱感染者数が増加傾向 ウイルス型の変化で今後さらに拡大の可能性

 シンガポールでは2026年のデング熱感染者数は前年を大きく下回る水準で推移しているものの、ここ数週間は増加傾向が続いており、専門家は今後さらに感染が拡大する可能性があると警鐘を鳴らしている。特に、流行の主流となるデングウイルスの型(血清型)が変化しつつあることから、十分な免疫を持たない人が増え、感染者数が急増する恐れがあるという。
 
 国家環境庁(NEA)によると、2026年上半期(1~6月)の感染者数は1,180人と、前年同期比で約54%少ない水準となっている。しかし、7月に入ってからは週間感染者数が増加を続けており、7月25日までの1週間では123人の感染が確認された。7月27日時点では18カ所の感染クラスターが活動中で、レントー・アベニュー周辺など一部地域では感染が急速に拡大している。
 
 専門家が特に注目しているのが、流行するデングウイルスの血清型の変化である。これまで優勢だった「DENV-2」に加え、「DENV-3」の割合が急速に増加している。デング熱には4種類の血清型が存在し、一つの型に感染しても他の型に対する免疫は十分ではない。そのため、流行する型が切り替わると、地域全体で感染しやすい人が増え、大規模流行につながる可能性がある。シンガポールでは過去にも血清型の交代が大規模流行の引き金となった例があり、当局は今回も警戒を強めている。
 
 国家環境庁は、デング熱の流行シーズンである5月から10月にかけて、防蚊対策の徹底を呼びかけている。住宅周辺では植木鉢の受け皿やバケツ、排水口などに水をためないことが重要で、「5-Step Mozzie Wipeout」と呼ばれる蚊の発生源除去運動を推進している。また、発熱や発疹、関節痛などの症状が現れた場合には早めに医療機関を受診するよう求めている。
 
 シンガポールでは近年、防蚊対策の強化により感染者数は抑制されているものの、熱帯気候や都市部におけるネッタイシマカの生息環境から、デング熱は依然として公衆衛生上の大きな課題である。専門家は、ウイルス型の変化と雨季が重なることで感染が急増する可能性を指摘しており、行政による防疫対策だけでなく、住民一人ひとりが蚊の繁殖源をなくす取り組みを継続することが、流行拡大を防ぐ鍵になるとしている。