2026年7月23日
チャンギ空港、管制塔を大規模改修へ 15年間で40億Sドル投じ航空管制システム刷新
シンガポール民間航空庁(CAAS)は、今後15年間で総額40億Sドルを投じ、チャンギ空港の航空管制システムを全面的に刷新すると発表した。計画には、空港の象徴でもある管制塔(コントロールタワー)の大規模改修や、新たな航空管制センターの整備、最新のデジタル技術や人工知能(AI)の導入が含まれる。急増する航空需要や将来の第5ターミナル(T5)開業に対応し、シンガポールの航空ハブとしての競争力を維持・強化することが狙いである。
今回の計画では、現在の管制塔を改修するとともに、シンガポール航空交通管制センター(SATCC)も最新設備へ更新する。第2段階の工事は2028年末までの完成を予定しており、新たな航空管制室や機器室、保守施設のほか、休憩室や食堂など管制官向けの職場環境も改善される。これにより、将来的な3本目滑走路の本格運用やT5開業後の航空機増便にも対応できる体制を整える。
また、AIや高度なデジタル技術を活用した新しい航空管制システムを導入し、航空機の運航管理や管制官の意思決定を支援する。航空需要の拡大に合わせ、航空管制官も現在の約500人から約700人へ増員する計画で、新たに約200人を採用・育成する。人材確保のため、最大2万Sドルの入職一時金や奨学金制度なども導入され、航空管制官の育成強化が進められる。
国際民間航空機関(ICAO)は、世界の航空旅客数が今後25年間で約3倍に増加し、その約半分をアジア太平洋地域が占めると予測している。シンガポールもチャンギ空港の利用者増加が続いており、第5ターミナルの完成後には年間旅客処理能力が現在の約9,000万人から約1億4,000万人へ拡大する見通しである。こうした成長を支えるため、航空インフラの高度化は不可欠となっている。
今回の40億Sドル規模の投資は、空港施設そのものだけでなく、航空交通管理の安全性や効率性を将来にわたり確保するための基盤整備と位置付けられる。デジタル技術と人材育成を両輪として進めることで、チャンギ空港は世界有数の航空ハブとしての地位をさらに強化していく考えである。

