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歴史文化団体「My Community」が清算手続きへ 負債で事業継続を断念

 シンガポールの歴史・文化活動を手掛ける非営利団体「My Community Limited」が、負債超過により事業継続が困難となり、自主的な清算手続きに入ったことが明らかになった。同団体の創設者兼エグゼクティブディレクターのクウェック・リー・ヨン氏は、債務を履行できない状態にあるとして、会社清算に向けた手続きを開始。7月24日に債権者集会を開き、資産・負債の状況や今後の清算方針を説明する予定である。
 
 My Communityは2010年に設立され、クイーンズタウンやクレメンティ、テロック・ブランガーなどを巡る無料の歴史ガイドツアーや、地域資料の収集・保存、展示会の企画などを通じて、シンガポールの地域文化の継承に取り組んできた。2020年には慈善団体として登録され、学校や政府機関向けの展示施設の設計・歴史調査なども受託するなど、地域文化の発信で高い評価を得ていた。
 
 しかし近年は経営難が表面化し、2025年には元従業員から未払いの中央積立基金(CPF)拠出金に関する申し立てが行われたほか、同年9月にはクウェック氏が文書偽造の疑いで逮捕される事態となった。現在も詳細な捜査が続いており、事件の全容は明らかになっていない。また、今月に入りボランティアによる歴史ガイドツアーも中止されており、長年親しまれてきた地域活動にも影響が及んでいる。
 
 裁判所は暫定清算人を選任しており、今後は資産の管理や債権者への対応が進められる。清算手続きでは、債権者集会で正式な清算人の選任や今後の処理方針が協議される見通しである。
 
 今回の清算は、シンガポールの地域文化保存活動を支えてきた団体の幕引きとなる可能性があり、市民や文化関係者の間では惜しむ声が広がっている。一方で、文化・歴史の継承活動そのものへの関心は依然として高く、今後は他の非営利団体や地域コミュニティがその役割を引き継いでいくことが期待されている。