シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP高級住宅市場、新規物件販売は減速 中古市場は富裕層需要で堅調維持

経済

2026年7月21日

高級住宅市場、新規物件販売は減速 中古市場は富裕層需要で堅調維持

 シンガポールの高級住宅市場では、2026年第2四半期(4~6月)の取引額が前期比3.6%減の約16億7,000万Sドルとなり、新築高級住宅の販売減少が市場全体を押し下げた。一方で、中古(リセール)市場は引き続き堅調に推移しており、富裕層を中心とした需要が市場を下支えしている。
 
 不動産調査会社Realion Researchによると、新築高級住宅の取引額は前期の3億7,100万Sドルから2億2,000万Sドルへ40.7%減少した。これは、第2四半期に新たな高級コンドミニアムの大型供給がほとんどなく、購入希望者の選択肢が限られたことが主な要因とされる。特に、コア・セントラル・リージョン(CCR)で1平方フィート当たり3,000Sドル超、かつ総額500万Sドル以上の高級物件は、取引件数が第1四半期の73件から52件へ減少した。
 
 一方、中古高級住宅市場は好調を維持した。中古取引額は前期比6.1%増の14億3,000万Sドルとなり、投資家や富裕層による購入が活発だった。新築物件の供給不足を背景に、立地や資産価値の高い既存物件へ需要が流れたことが市場を支えたとみられている。
 
 市場関係者は、シンガポールが政治・経済の安定性や法制度の透明性を備えた「安全資産」として国際的な評価を維持していることから、高額物件への需要は依然として底堅いと分析している。新たに市民権や永住権を取得した富裕層による購入も、高級住宅市場を支える要因となっている。
 
 今後は、2026年後半に予定されている複数の高級住宅プロジェクトの販売開始により、新築市場の取引回復が期待されている。市場全体では短期的な調整局面にあるものの、中古市場の安定した需要と新規供給の再開を背景に、高級住宅市場は引き続き堅調な推移が続くとの見方が広がっている。

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