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政治

2026年7月21日

清掃員や警備員の年次有給休暇を拡充 2029年から最低10日へ

 シンガポール政府は、清掃員や警備員、造園作業員など低賃金の外部委託労働者の待遇改善を目的に、2029年から最低年次有給休暇を段階的に引き上げる方針を発表した。現在の最低7日から最終的に10日へ拡大され、約6割のシンガポール人および永住権保持者(PR)の委託労働者が恩恵を受ける見込みである。
 
 対象となるのは、清掃、警備、造園、昇降機・エスカレーター保守、廃棄物管理の5分野で働く外部委託労働者である。これらの業種は、政府の「プログレッシブ・ウェージ・モデル(PWM)」の対象となっており、これまで賃金引き上げや技能向上を進めてきた。今回の制度改正では、給与だけでなく福利厚生の充実を図ることで、より魅力的な職場環境を整備する狙いがある。
 
 最低有給休暇は2029年から段階的に増やされる予定で、企業や委託元が契約内容や人員配置を見直すための十分な準備期間が設けられる。政府は、急激な制度変更による事業者への負担を抑えながら、労働者の待遇改善を着実に進めたい考えである。また、すでに法定基準を上回る有給休暇を付与している企業については、今回の改正による影響は限定的となる。
 
 近年、シンガポールでは高齢化や人手不足を背景に、清掃員や警備員など社会インフラを支える職種の確保が課題となっている。政府は、賃金引き上げだけでなく、休暇制度やキャリア形成を含めた総合的な待遇改善を進めることで、人材の定着率向上や新たな人材確保につなげたい考えだ。
 
 今回の有給休暇拡充は、低賃金労働者のワークライフバランス改善や心身の健康維持にも寄与すると期待されている。政府、企業、サービス発注者が連携しながら労働環境の質を高めることで、持続可能な労働市場の構築を目指す取り組みとして注目されている。

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