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RTS開通でシンガポール人のJB消費が年間10億Sドル増加へ

 2027年に開業予定のジョホールバル(JB)―シンガポール高速輸送システム(RTS)リンクの開通により、シンガポール居住者のジョホールバルでの年間消費額が約10億5,000万Sドル増加するとの調査結果が発表された。一方、ジョホールバルからシンガポールへの消費も増加するものの、シンガポール側の支出増加が上回る見通しであり、小売業や飲食業への影響が注目されている。
 
 この調査は、シンガポール・ビジネス連盟(SBF)、シンガポール小売業協会(SRA)、シンガポール・レストラン協会(RAS)が共同で実施したもの。RTSリンクの開通により、シンガポールからジョホールバルへの年間訪問回数は約51%増加すると予測されており、食料品、ドラッグストア、飲食、美容サービスが主な消費先になるとみられている。価格差や為替メリットを背景に、日常的な買い物や外食を目的とした越境消費が一段と活発化する見込みである。
 
 一方、ジョホールバルからシンガポールへの来訪者も増加する見通しで、回答者の34%がRTS開通後にシンガポールを訪れる意向を示した。公共交通機関を利用する来訪者数は年間57%増えると予測され、娯楽や宿泊、観光を目的とした支出の拡大が期待されている。しかし、全体ではシンガポールからジョホールバルへの支出増加の方が大きく、純増ベースでは約2億9,000万Sドルの消費がシンガポール国外へ流出すると試算されている。
 
 業界関係者は、特に価格競争が激しい食品、日用品、医薬品、美容サービス分野で競争が一段と激化すると懸念している。一方で、シンガポールの小売・外食市場全体の年間規模は約166億シンガポールドルであり、影響は限定的との見方もある。今後は外国人観光客の誘致や、高付加価値商品の提供、体験型サービスの充実などを通じて競争力を高める必要性が指摘されている。
 
 RTSリンクは、ウッドランズ・ノース駅とジョホールバル・ブキットチャガル駅を約5分で結ぶ国際鉄道で、通勤・観光の利便性を大幅に向上させる大型インフラである。ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)と並ぶ両国経済連携の中核プロジェクトとして期待される一方、小売・飲食業界では国境を越えた競争への対応が新たな課題となりそうである。