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シェンション5.2億Sドル投じ新本社・物流拠点建設 120店舗体制を支える基盤整備へ

 シンガポールの大手スーパーマーケットチェーン「Sheng Siong(昇菘超市)」は7月13日、総額約5億2,000万Sドルを投じる新本社・統合物流センターの起工式を行った。同社にとって過去最大規模の投資であり、急速な店舗拡大と物流効率化を支える中核施設として、2029年の完成を目指す。
 
 新施設はサンゲイ・カドゥ地区に建設され、延床面積は約6万1,000㎡と、現在のマンダイ・リンク物流センターの約2.5倍となる7階建ての複合施設である。完成後は、現在約90店舗を展開する同社の将来的な120店舗超の運営を支える物流能力を備え、シンガポール国内での事業拡大に対応する。
 
 施設には、自動倉庫システム(ASRS)、ロボット搬送設備、AIを活用した倉庫管理システム、多温度帯保管設備など最新の物流技術を導入する計画である。同社のリム・ホックチー最高経営責任者(CEO)は、「東南アジア有数の先進的な食品物流センターになる」と述べる一方、自動化は人員削減が目的ではなく、従業員をシステム運用や保守など、より付加価値の高い業務へ再配置する考えを示した。
 
 起工式に出席したガン・キムヨン副首相は、地政学リスクや気候変動、エネルギー価格の上昇などにより食品価格の安定確保が難しくなっていると指摘した。その上で、大規模な物流拠点による効率的な在庫管理や大量調達は、商品の安定供給と価格競争力の維持につながり、消費者にとってもメリットが大きいとの考えを示した。シンガポールは食料の約9割を輸入に依存しており、物流の高度化は食料安全保障の面でも重要性を増している。
 
 今回の大型投資は、小売業におけるデジタル化・自動化を加速させるだけでなく、将来の需要増加や供給網の強靱化を見据えた戦略的な設備投資として注目されている。競争が激化する食品小売市場において、物流基盤の強化が同社のさらなる成長を支える重要な鍵となりそうである。