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国会で「未来の交通」議論 空港・港湾連携と人材育成が重要課題に

 シンガポール国会は7日、「未来の交通(Future of Transport)」をテーマとした動議を審議し、国際物流ハブとしての競争力強化や、AI(人工知能)・自動化時代を見据えた人材育成について活発な議論が交わされた。与野党合わせて24人の議員が参加し、チャンギ空港第5ターミナル(T5)やトゥアス港といった大型インフラを最大限活用するための新たな施策が提案された。
 
 議員からは、チャンギ空港とタナメラ・フェリーターミナルを円滑につなぐ「シームレスな空海接続」の実現や、空港・港湾・物流施設をデジタル技術で統合し、貨物の流れをリアルタイムで管理するシステムの構築などが提案された。また、シンガポール東部を航空・海運・物流・観光が一体となった国際ゲートウェーとして発展させる構想も示された。政府は、チャンギ地区の将来開発の一環として、空港とフェリーターミナルの接続性向上を検討していることを明らかにした。
 
 一方、AIや自動運転技術の普及による産業構造の変化を踏まえ、労働者のスキル向上も重要なテーマとなった。議員らは、単純作業の自動化が進む中で、物流や交通分野の従業員が新たな技術に対応できるよう、再教育や職業訓練を充実させる必要性を強調した。政府も、タクシー・配車サービスの運転手などを対象に、自動運転関連や公共交通分野へのキャリア転換を支援する新たな研修制度を開始する方針を示している。
 
 さらに政府は、今後5年間で交通分野の研究開発に8億Sドルを投資する計画を発表した。自動運転システムやデジタルツイン(現実空間を仮想空間で再現する技術)、AIを活用した航空・港湾運営などの研究を重点的に支援し、世界有数の交通・物流ハブとしての競争力維持を目指す。
 
 今回の国会審議では、大型インフラへの投資だけでなく、それを支えるデジタル技術と人材育成を一体的に進めることが、シンガポールの将来の成長戦略に不可欠であるとの認識が共有された。航空・海運・物流を融合させた次世代の交通ネットワークづくりが、今後の重要な政策課題となりそうである。