シンガポールで20代の未婚率が依然として高い水準にあることが、シンガポール統計局(DOS)の2025年総合世帯調査(General Household Survey)で明らかになった。20代女性の約75%、20代男性の約85%が未婚であり、出生率(TFR)の低下が続く中、政府が進める少子化対策の効果に改めて注目が集まっている。
調査によると、25~29歳の女性では73.4%、同年代の男性では84.6%が一度も結婚したことがないと回答した。30代に入ると未婚率は低下するものの、前回2020年調査と比べても晩婚化の傾向は続いている。また、結婚した女性が生涯に持つ子どもの平均人数も減少しており、シンガポールの合計特殊出生率(TFR)は依然として世界でも低い水準にとどまっている。
背景には、住宅価格や生活費の上昇、仕事やキャリア形成を重視する価値観の広がり、結婚相手との出会いの変化など、複数の要因があると専門家は分析する。若い世代の間では「経済的な基盤を整えてから結婚したい」「結婚を急ぐ必要はない」と考える人が増えており、結婚や出産の時期が後ろ倒しになる傾向が続いている。
政府は近年、育児休暇制度の拡充、住宅取得支援、子育て補助金の増額、保育サービスの充実など、結婚・出産を後押しする政策を相次いで導入している。しかし、結婚や家族形成は個人の価値観に大きく左右されるため、経済的支援だけでは出生率の改善につながりにくいとの指摘もある。
専門家は、若者が安心して家庭を築ける雇用環境や住宅政策に加え、仕事と家庭を両立しやすい社会づくりが重要になると指摘する。今回の調査結果は、少子高齢化が進むシンガポールにおいて、結婚や出産に対する価値観が大きく変化している現状を改めて示すものとなった。政府には、長期的な人口減少を見据えた総合的な政策対応が引き続き求められている。
20代の未婚率が高止まり 少子化対策に新たな課題
