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豪華披露宴より将来設計を優先 シンガポールで小規模結婚式が主流に

 シンガポールで、豪華な結婚披露宴を行うカップルが減少している。ウェディング業界によると、大規模・高額な結婚式への需要は過去3年間で約30%減少し、近年は住宅購入や子育て資金など将来への投資を優先する傾向が強まっている。
 
 ウェディングプランナーによると、新型コロナウイルス流行前には約300人を招待する中華系の披露宴が一般的だったが、現在は100人前後の小規模な式を選ぶケースが増えている。また、結婚式の予算も従来の約8万Sドルから約4万Sドル程度へと半減しており、「必要以上に費用をかけず、自分たちらしい式を挙げたい」と考えるカップルが増えているという。
 
 さらに、費用を抑えるため、ビンタン島やバタム島、バリなど近隣リゾートでのリゾートウェディングを選択する人も増加している。海外ではシンガポールより2割以上安く式を挙げられる場合もあり、中国では衣装や写真撮影、宿泊を含むパッケージを2,000Sドル未満で提供するプランも人気を集めている。
 
 背景には、生活費や住宅価格の上昇がある。結婚を機に住宅購入や新生活の準備、将来の子育て資金を確保したいと考える若い世代が増え、「一晩の披露宴よりも、その後の生活を重視する」という価値観が広がっている。また、昨年のシンガポールの婚姻件数は2万4,687件と、コロナ禍以降では最も少ない水準となり、ウェディング業界全体の市場規模にも影響を与えている。
 
 こうした変化を受け、ウェディング業界も対応を進めている。従来の豪華なホテル披露宴だけでなく、少人数向けプランやオーダーメード型の演出、SNS向け映像制作、ライブフードステーションなど、「思い出」や「体験」を重視したサービスの提供が拡大している。業界関係者は、「結婚式をしないのではなく、価値あるものにお金を使う時代へ変わっている」と分析する。
 
 今回の動向は、シンガポールの若い世代が結婚式の規模よりも、長期的な家計やライフプランを重視する価値観へと移行していることを象徴しており、ウェディング業界も新たなニーズへの対応が求められている。