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シンガポール企業、「フラクショナル人材」の活用拡大

 シンガポール企業の間で、必要な期間だけ経営幹部や専門人材を雇用する「フラクショナル人材(Fractional Executive)」の活用が広がっている。中小企業やスタートアップを中心に、財務責任者(CFO)やマーケティング責任者(CMO)、人事責任者(CHRO)などを非常勤または契約ベースで採用するケースが増えており、新たな人材活用モデルとして注目されている。
 
 フラクショナル人材とは、企業にフルタイムで所属するのではなく、複数の企業で専門知識や経営経験を提供する働き方である。企業側は必要なスキルを必要な期間だけ活用できるため、正社員として採用する場合と比べて人件費を大幅に抑えられるほか、採用までの時間短縮にもつながる。
 
 シンガポールでは近年、高度人材の確保が難しくなっていることに加え、景気の先行きが不透明な中で人件費を柔軟に管理したい企業が増えている。特に成長段階にある企業では、海外展開や資金調達、デジタル化など特定分野の専門知識を持つ人材への需要が高く、フラクショナル人材の活用が経営課題の解決策の一つとなっている。
 
 専門家は、今後はAIやデータ分析、サイバーセキュリティなど高度専門職でも同様の働き方が広がると予想している。一方で、企業には短期間で成果を上げられる業務設計や、社内チームとの円滑な連携体制を整えることが求められる。
 
 柔軟な働き方へのニーズが高まる中、フラクショナル人材は企業の競争力向上と人材不足解消を両立する新たな選択肢として、シンガポールで今後さらに普及が進むとみられている。