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シンガポールCBD、オフィス空室率が9四半期ぶり低水準

 シンガポール中心業務地区(CBD)のグレードAオフィス市場で、空室率が約9四半期ぶりの低水準となった。不動産コンサルティング会社によると、金融機関や資産運用会社、テクノロジー企業を中心にオフィス需要が堅調に推移しており、優良物件では賃料も緩やかな上昇が続いている。
 
 近年のシンガポールでは、世界経済の不透明感や企業のコスト削減を背景にオフィス需要の減速も懸念されていた。しかし、アジア地域の統括拠点としてシンガポールを位置付ける多国籍企業が依然として多く、金融や法律、コンサルティング、テクノロジー関連企業によるオフィス需要が市場を支えている。
 
 また、新規オフィスビルの供給が限られていることも、空室率の低下につながっている。築年数の新しい高品質オフィスへの需要は特に強く、環境性能やデジタル設備を備えたビルでは空室が少ない状況が続いている。一方、築年数の古いビルでは改修や設備更新による競争力強化が課題となっている。
 
 企業の働き方はハイブリッド勤務が定着しつつあるものの、重要な会議や顧客対応、企業文化の醸成を目的としてオフィスを重視する動きは根強い。専門家は、今後数年間も新規供給が限定的であることから、CBDの優良オフィス市場は安定した需要を維持すると予測している。
 
 シンガポールは引き続きアジア有数のビジネスハブとして高い競争力を維持しており、オフィス市場の堅調さは国際企業からの信頼の高さを示す指標の一つとなっている。