シンガポール政府は、アジア有数の貴金属取引拠点を目指し、金(ゴールド)の店頭取引決済システムと中央銀行向け保管サービスを新たに導入すると発表した。シンガポール証券取引所(SGX)が年内にも新たな金決済プラットフォームを立ち上げるほか、金融管理局(MAS)は外国中央銀行や政府系機関向けの保管サービスを開始する予定である。
参加金融機関にはDBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行のほか、JPモルガンやドイツ銀行など世界有数の金融機関が名を連ねる。政府は、ロンドンやニューヨークを代替するのではなく、アジア時間帯における安全で信頼性の高い取引拠点を目指すとしている。
近年、世界的な地政学リスクの高まりから各国中央銀行による金保有が増加している。シンガポールは政治的安定性や高い金融規制水準を強みとしており、金の保管・取引需要を取り込む狙いである。
また、ファミリーオフィスや投資ファンドによる金投資に関する税制優遇も拡充される。富裕層資産の流入促進にもつながる見込みであり、金融センターとしてのシンガポールの競争力強化が期待されている。
シンガポール、アジアの金取引ハブへ 新たな決済・保管制度導入
