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柔軟勤務を導入する企業は4割未満 求職者とのギャップ浮き彫りに

 シンガポールでは、求職者の多くが柔軟な働き方を重視しているにもかかわらず、実際に柔軟勤務制度を提供している企業は全体の約4割にとどまることが、最新の人材調査で明らかになった。
 
 調査によると、求職者が勤務先を選ぶ際に最も重視する条件は給与であるものの、その次に重要視されているのが柔軟な勤務形態である。しかし、在宅勤務やハイブリッド勤務、フレックスタイム制度などを正式に提供している企業は全体の約40%にとどまり、求職者の期待との間に大きな隔たりが存在している。
 
 特に若年層や専門職人材の間では、ワークライフバランスを重視する傾向が強まっている。通勤時間の削減や家庭との両立、メンタルヘルス向上などを理由に、柔軟勤務制度を重要な就職条件と考える人が増えているという。
 
 一方、企業側は生産性管理やチーム連携、顧客対応などを理由に、全面的な柔軟勤務制度の導入に慎重な姿勢を示している。特に製造業、小売業、物流業など現場業務が中心となる業種では、柔軟勤務の導入が難しいとされている。
 
 シンガポールでは2024年末から、従業員が柔軟な勤務形態を正式に申請できる制度が導入されている。企業は申請を受けた際、合理的な理由なく拒否しないことが推奨されているが、導入状況には業種や企業規模による差が見られる。
 
 人材業界関係者は、優秀な人材の確保競争が激化する中、給与だけでなく柔軟な働き方を提供できる企業が採用面で優位に立つ可能性が高いと指摘している。
 
 今回の調査結果は、シンガポールの雇用市場において、柔軟な働き方が「福利厚生」ではなく「採用競争力の重要要素」へ変化しつつあることを示している。