シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、人種対立をあおる投稿14件を遮断

政治

2026年6月16日

シンガポール、人種対立をあおる投稿14件を遮断

シンガポール政府は、人種間の対立や不信感を助長する内容を含むSNS投稿14件について、国内からの閲覧を制限する措置を実施した。対象となった投稿は主にインド系住民を標的としたもので、政府は外国から発信された可能性が高いとみている。
 
 エドウィン・トン文化・コミュニティ・青年相兼第二法相は、「人種や宗教の調和はシンガポール社会の基盤であり、これを損なう行為には断固として対応する」と強調した。政府によると、一部の投稿には特定民族に対する偏見や差別を助長する内容が含まれており、社会の分断を招く恐れがあると判断された。
 
 シンガポールは中国系、マレー系、インド系を中心とした多民族国家であり、独立以来、人種・宗教間の調和を国家運営の重要な柱としてきた。1960年代には民族間衝突を経験した歴史があり、その教訓から政府はヘイトスピーチや宗教対立につながる言動に対して厳しい姿勢を取っている。
 
 近年はSNSの普及により、海外からの情報や偽情報が容易に拡散される環境となった。政府は2024年以降、外国勢力による世論操作や社会分断工作への警戒を強めており、今回の措置もその一環と位置付けている。
 
 専門家は、AI技術の発達により偽情報や扇動的コンテンツの作成が容易になっていると指摘する。一方で、表現の自由とのバランスをどのように取るかについても議論が続いている。
 
 シンガポール政府は今後もSNS事業者と連携し、社会の安定を脅かすコンテンツへの対応を強化する方針である。今回の措置は、多民族国家としての社会的結束を維持するための取り組みとして国内外から注目を集めている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、人種対立をあおる投稿14件を遮断