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シンガポール、AI活用で「雇用の質向上」を重視

 シンガポール政府は、人工知能(AI)の活用を進める中で、単なる人員削減ではなく「より良い雇用の創出」を重視する方針を改めて示した。ガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は金融業界に対し、AI導入によるコスト削減だけでなく、従業員の再教育や新たな職種の創出にも取り組むよう呼び掛けた。
 
 世界的にAI導入が加速する中、一部の金融機関では人員削減計画も発表されている。しかしシンガポール政府は、AIを競争力強化のための重要な手段と位置付けながらも、国民の雇用機会を守ることを重視している。
 
 2026年度予算ではAI関連投資の拡充や国家AI戦略の強化が盛り込まれており、製造業、金融、物流、医療など幅広い分野で活用を推進する方針である。政府は「AIを止めるのではなく、AIと共に働く人材を育成する」ことが重要だとしている。
 
 シンガポールを地域統括拠点とする日系企業にとっても、AI導入と人材育成の両立は今後の経営課題となる。AI時代における人材戦略が、企業競争力を左右する要素として注目されている。