シンガポールの求職者にとって、給与に次いで重要な就職条件は「柔軟な働き方」であることが、最新の人材調査で明らかになった。企業が人材確保を競う中、在宅勤務やハイブリッド勤務などの柔軟な勤務制度が、採用競争力を左右する重要な要素となっている。
調査によると、求職者が勤務先を選ぶ際の最重要項目は依然として給与・報酬であった。しかし、その次に重視されているのが柔軟な勤務制度であり、従来重視されていた福利厚生やキャリア開発機会を上回る結果となった。
特に若年層や専門職人材の間では、仕事と私生活の両立(ワークライフバランス)への関心が高まっている。在宅勤務や勤務時間の柔軟性を重視する傾向が強く、単純な給与額だけでは人材を引き付けることが難しくなっているという。
シンガポールでは2024年末から、従業員が柔軟な勤務形態を正式に申請できる制度が導入されている。企業は申請を受けた場合、合理的な理由なく拒否することは望ましくないとされており、多くの企業が制度整備を進めている。
人材業界関係者は、優秀な人材の確保と定着のためには、給与だけでなく柔軟な勤務制度や働きやすい職場環境の提供が不可欠になっていると指摘する。特にテクノロジー、金融、専門サービス分野では柔軟な働き方を提供する企業が競争上優位に立つ傾向が見られる。
一方で、製造業や現場業務など職種によっては柔軟な勤務制度の導入が難しいケースもあり、企業は職種ごとの対応を模索している。
今回の調査結果は、シンガポールの雇用市場において「高給与」だけでなく、「働き方の質」が人材獲得の重要な決め手となりつつあることを示している。
給与だけではない 柔軟な働き方が求職者の重要条件に
