タイ政府は、シンガポールを含む93ヵ国・地域を対象としていた「60日間ビザ免除制度」を見直し、滞在可能期間を短縮する方針を明らかにした。背景には、外国人による違法就労や犯罪増加への懸念がある。
現在、シンガポール、日本、米国、英国、中国、オーストラリアなど93ヵ国・地域の旅行者は、タイへビザなしで最大60日間滞在できる。これは2024年、コロナ後の観光回復促進を目的に導入された制度である。
しかしタイ政府は、「制度悪用が増えている」と判断。違法学校運営、人身売買、薬物関連犯罪、不法就労などに関与する外国人摘発事例が相次いだことから、制度見直しを決定した。
新制度では、多くの国でビザなし滞在期間が60日から30日へ短縮され、一部国では15日となる可能性もある。詳細は国ごとに調整される見通しである。
タイ政府は、「一般観光客を排除するものではなく、制度悪用対策が目的」と説明している。また、必要に応じて現地イミグレーションで30日延長申請が可能となる見込みである。
タイは東南アジア最大級の観光大国であり、観光業はGDPの約20%を占める重要産業である。一方で、近年は外国人犯罪や不法滞在問題が社会問題化していた。2026年の外国人観光客数も前年割れ傾向となっている。
SNS上では、「普通の旅行者には30日で十分」という声がある一方、「長期滞在者やデジタルノマドには影響が大きい」との懸念も見られた。
タイ政府は今後、観光促進と治安・移民管理強化のバランスを取りながら、新たな入国管理体制を進める方針である。
タイ、60日間ビザ免除を終了へ シンガポール含む93ヵ国対象、犯罪・違法就労対策強化
