シンガポールで、Singlish(シングリッシュ)を日常生活だけでなく職場でも使う人が増えていることが、Institute of Policy Studies(IPS)の最新調査で明らかになった。特に若年層を中心に、「Singlishはシンガポール人としてのアイデンティティー」と捉える傾向が強まっている。
調査では、18~35歳の約80%が「Singlishを上手に話せる」と回答。また、多くの回答者が「職場のカジュアルな会話でもSinglishを使用する」と答えた。特にローカル同士のコミュニケーションでは、「親しみやすさ」「感情表現のしやすさ」が理由として挙げられている。
Singlishは、英語をベースに中国語方言、マレー語、タミル語などが混ざったシンガポール独自の口語表現で、「lah」「lor」「shiok」「alamak」などの表現が特徴である。近年ではOxford English Dictionary(OED)にもSinglish単語が追加されるなど、国際的認知も高まっている。
一方、シンガポール政府は長年、「Speak Good English Movement」を通じ、標準英語使用を推進してきた。政府側は、国際ビジネスや教育競争力維持の観点から、正式な場では正しい英語が必要との立場を維持している。
しかし最近では、Singlishに対する社会的見方も変化している。IPS研究者は、「Singlishは単なる崩れた英語ではなく、シンガポール人らしさを示す文化的アイデンティティー」と分析している。
SNS上でも、「ローカル同士ならSinglishの方が自然」という声が多い。一方で、「フォーマルな場ではProper Englishへ切り替える“コードスイッチ”能力が重要」との意見も目立った。 Redditでは、「社内雑談はSinglish、プレゼンはProper Englishが基本」というコメントが共感を集めている。
また近年は、AI開発でもSinglish対応が進んでいる。A*Starや金融機関は、Singlishや方言混じり英語を理解できるAI音声認識モデル開発を進めている。
Singlishは今後、単なる俗語ではなく、「シンガポール独自文化」としてさらに存在感を強めていきそうである。
「職場でもSinglish使う?」 シンガポールで“普通化”進むとの調査結果
