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社会

2026年5月25日

シンガポールのサンバー鹿、絶滅危機から復活

 サンバー鹿が、シンガポールで静かな復活を遂げている。かつてはほぼ絶滅したと考えられていたが、現在では約120頭まで個体数が回復したことが明らかになった。
 
 サンバー鹿は東南アジア最大級の鹿で、夜行性かつ非常に警戒心が強い動物である。シンガポールでは第二次世界大戦後の森林破壊や乱獲により姿を消したと考えられていたが、1970年代にマンダイ地区で再発見された。
 
 その後、自然保護活動や生息地回復が進み、近年は個体数が急増。2021年時点では約15頭と推定されていたが、現在はマンダイ、ガリバトゥ、チェスナット自然公園、ニーソンスワンプフォレストなど5つの主要森林地帯に生息しているという。
 
 個体数増加の背景には、シンガポール政府による生態回廊整備もある。National Parks Board(NParks)は、Eco-Link@BKEなど野生動物用通路や道路下通路を整備し、動物の移動しやすい環境づくりを進めている。
 
 一方で、新たな課題も出ている。シンガポールにはサンバー鹿の天敵が存在しないため、今後さらに個体数が増えれば、人間との接触増加や交通事故、病気、生態系バランスへの影響が懸念されている。専門家の間では、避妊、去勢、一部移送など個体数管理策の必要性も議論され始めている。
 
 SNS上では、「シンガポールにこんな大型野生動物がいるとは知らなかった」という驚きの声がある一方、「自然回復の成功例」と歓迎する意見も多い。都市国家シンガポールにおける“人と野生動物の共存”への関心が高まっている。

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