2026年5月12日
採用減速も「外国人優遇ではない」 MOMが雇用市場の現状説明
シンガポール人材開発相のタン・シーレン氏は、国内の採用ペースは減速しているものの、企業が外国人を地元人材より優先して採用しているわけではないと強調した。
同氏は国会答弁で、2025年の雇用増加の大部分を外国人労働者が占めたことについて説明し、「シンガポール人の雇用機会は引き続き守られている」と述べた。特に、専門職・管理職・技術職(PMET)における居住者雇用は引き続き増加していると指摘した。
一方で、建設、海運、清掃、飲食など一部産業では、地元人材だけで必要な労働力を満たすことが難しく、外国人労働者への依存が続いている。政府は、こうした分野では外国人労働者が経済活動維持に不可欠な役割を果たしていると説明している。
また、シンガポール政府は「COMPASS」制度などを通じ、外国人雇用時に企業へ多様性や地元雇用への配慮を求めている。一定割合以上の地元人材採用やスキル移転が重視されており、無制限な外国人雇用を認めているわけではない。
近年は生活コスト上昇や雇用不安を背景に、「外国人労働者が地元雇用を圧迫している」との議論がSNS上でも広がっている。しかし政府は、経済成長と産業維持のためには外国人労働力と地元人材育成の両立が必要との立場を維持している。
2026年第1四半期は雇用成長が鈍化し、企業の採用意欲も慎重化している。こうした中、政府はシンガポール人向けの職業訓練や再就職支援を強化しながら、バランスの取れた労働市場運営を進める方針である。

